「コミッション」、「割引」、「リベート」、「キックバック」これらを見分けられる?
「コミッション」、「割引」、「リベート」、「キックバック」は現代ビジネスでも、よく耳にする言葉である。これらの違いは何だろう?どれが合法的でどれが違法なのだろう?
まず、それぞれ何を意味し、どのような状況に適用されるかを分析してみましょう。
コミッション、割引、リベートは全て一般的な販促手法である。コミッションは仲介サービスへの対価であり、通常、取引を成立させる仲介者へ支払うものである。これはサービスに該当するため、増値税専用発票(青字発票)を発行し、通常、税率は6%である。割引とリベートは取引当事者間で発生し、取引に紐づくものであるため、税率は取引で発行される発票の税率に準ずる。このうち、割引は価格を下げ、売上高を減少させるものである。通常、取引時に、代金受領側の責に帰すべき事由があり、代金受領側が割引に同意した場合は取引後に発生する。例えば、品質上の瑕疵があった際に、買主が譲歩して受け入れた場合や、売主が承諾した保証期間内に商品価格が下落した場合などである。割引が取引時に発生する場合は増値税専用発票(青字発票)を発行し、通常、一行目に元の価格、次の行にマイナスで割引額が記載される。『納税者の割引・値引き行為による増値税専用発票(赤字発票)の発行に関する国家税務総局の通知』(国税函(2006)第1279号)によると、割引が取引完了後に発生する場合は、増値税専用発票(赤字発票)を発行する。リベートは通常、取引完了後に発生するため、同様に増値税専用発票(赤字発票)を発行する。コミッション、割引、リベートが事実通りに帳簿に記載されず、不正処理が行われる場合を一般的に「キックバックする」と呼ぶ。これは商業賄賂行為に該当する。
ネット販売の発展に伴い、ニューメディアへの広告やインフルエンサーによるプラットフォームでのライブコマースといった新たなビジネスモデルから、新型の「販促」手法が誕生している。そたのめ、当事者及びそのタイプを一概に定義することが難しい場合もある。以下では、抖音(Douyin)の「巨量星図」、微博(Weibo)の「微任務」、テンセント(Tencent)の「テンセント互選プラットフォーム」、小紅書(Xiaohongshu)の「蒲公英」を例に分析してみる。
こうしたプラットフォームの規則は、通常、インフルエンサーがプラットフォームを介して取引を行った後、一定割合のプラットフォーム手数料を差し引くというものである。このした販促を実現し、かつ店舗とインフルエンサーの権利をある程度保護するために、プラットフォームの規則では、ブランドや代理店による発注、インフルエンサーによる受注、コンテンツの納品、プラットフォームによる決済に至る全てのプロセスをプラットフォームのシステム上で行うことを義務付けている。プラットフォームは通常、公開されているか又はパートナーに対して透明性の高い料金体系を設けているが、システム内で注文価格を直接変更し、または即時割引を適用することができない。
このような取引モデルは、店舗が取引前にインフルエンサーと合意に至ったにもかかわらず、プラットフォームの販促を利用するためには、プラットフォームのシステムを通じてインフルエンサーと取引を行わなければならない。そうすると、事前に合意した割引やリベートを、システム内で調整することができない。インフルエンサーがプラットフォームのシステムを通じて受注する件数は、プラットフォームからインフルエンサーへのトラフィックプッシュにも影響を及ぼす。そのため、インフルエンサーは、店舗がプラットフォーム経由で発注する金額をできるだけ高くし、その上でプラットフォームを介さず、店舗に別途割引やリベートを与えることを望む傾向にある。このような取引モデルにおいては、インフルエンサーと店舗は一体どのような法的関係に該当するのでしょうか。
(2023)滬0104民初855号事件において、双方は、「X社は抖音(Douyin)の「巨量星図」および小紅書(Xiaohongshu)の「蒲公英」を通じて発注し、F社は受注後に要求通りに実行する。F社は、X社がプラットフォーム経由で発注することに対してリベートを支払う。」ことを約定していた。最終的に裁判所は、F社にリベートを支払わせるというX社の請求を認めた。注意すべきことは、本件はサービス契約紛争であり、仲介サービス契約紛争ではない。このことから、仮に当事者間の実際の取引が第三者プラットフォームを介して行われたとしても、裁判所は割引やリベートが取引当事者間で発生すべきものであると認定し得る。このことから、類推すると、双方が仲介業者を通じて不動産を売買する際も、実際の取引は当事者間で行われ、かつ「ブローカースキップ」(仲介業者を介さない取引)がなく、仲介業者が利益を獲得できる限り(仲介手数料は割引やリベートを与える前の取引金額に基づいて算出されるため)、法的リスクは生じないと考えられる。
コミッション、割引、リベートの法的性質を熟知していない当事者は、「インフルエンサーが仲介手数料として店舗に支払う」と考える傾向があるが、実際には法律関係を誤認している。店舗が取引の相手方であり、プラットフォームが仲介者である以上、インフルエンサーから店舗へ仲介手数料を支払うのは誤りである。
最後に、留意すべきことは、『不正競争防止法』第8条によると、割引、リベート、コミッションはいずれも当事者双方が事実通りに記帳しなければならない。さもなければ、商業賄賂行為に属する。そのため、実務において、一部の店舗やインフルエンサーによるコミッション、情報サービス料、コンサルティング料、プロモーション料、協賛費といった名目で金銭を支払い、架空のサービスや偽りの取引経緯を捏造することでコンプライアンスを装い、不正な利益供与を隠蔽するケースが見られる。仮に契約書、発票、法人口座への入金といった形式的要件を満たしていても、発票違法ないし商業賄賂と認定される可能性がある。
企業は新たなビジネスモデルを確立する際、まずコミッション、割引、リベートを明確に区別する必要がる。いずれのモデルであっても、事実通りに記帳し、法に基づく発票を発行に努めることが重要である。