『出入国管理に関する国務院の規定』は2026年9月15日より施行される。
『出入国管理に関する国務院の規定』(以下『規定』という)は2026年7月22日に公布されており、同年9月15日より施行される。『規定』は中国国民のほか、中国で生活・就労し、または中国への渡航を予定している外国人が適用対象となる。そのうち、は特に注目に値する規定は下記の通りである。
- 中国公民を対象とする出国制限
| 出国を思いとどまらせる(第2条) | リスクレベルが最高で、または人身の安全を著しく脅かす事件が突発的・多発している国・地域へ渡航を予定している中国国民に対し、出入国管理機関は「当該国・地域への渡航を控えるよう勧告する」権限を有する。説明:渡航計画が突然頓挫する事態を避けるため、「リスクレベルが最高で、または人身の安全を著しく脅かす事案が突発的・多発している国や地域」の動向を常に注目する必要がある。 |
| 国内外における違法行為により出国を禁止される。(第4条) | 中国公民が、虚偽の出入国証明書類を作成し、または不法な出入国により行政拘留処分を受けた場合、出入国管理機関はその違法行為の情状および犯罪予防の必要性に応じて、処分執行終了日から6か月以上3年以内に当該公民に出国禁止命令を下すことができる。中国公民が国外において犯罪活動に従事し、国家の安全と利益を害した場合、国務院の関係主管部門または外国駐在の外交機関等による事実確認を経たうえ、当該公民の国内における住所地の省級人民政府は、帰国日から6か月以上3年以内に当該公民に出国命令を下すことができる。説明:
1)『規定』第6条によると、当局は当事者に対し、出国を許可しない旨の事実、理由、根拠及び救済方法を書面で告知するものとしている。ただし、「国家の安全・刑事事件の捜査等に影響を及ぼすおそれがある場合」は、当事者に告知する必要はない。 2)中国公民は国外における言動にも注意を払う必要がある。「国家の安全と利益を害する」と認定された場合、一定期間中、出国が禁じられる可能性がある。 |
| 輸出規制等の違反により出国を禁止される。(第4条) | 中国公民が輸出規制や技術輸出入管理等の規定に違反し、国家の産業安全及び技術安全を脅かすおそれがある場合、国務院商務部等の関係主管部門は当該公民の出国を許可しない旨の決定を下すことができる。説明:『規定』の施行後、商務部門は、輸出規制や技術輸出入管理などの規定違反を犯した中国籍の責任者、高級管理職、技術研究開発者等に対して出国を禁じる権限を有する。「国家の産業安全及び技術安全を害するおそれがある」ことを判断基準としているため、半導体、精密機器、AIなどセンシティブ業界の関係者の出国自由が制限される可能性が高い。また、この出国禁止措置について期限は設定されていない。したがって、関連業界の企業は特殊な職位について、人員出国事前申告管理規則を策定するとともに、人員の出国を突然制限された際の対応策をあらかじめ考慮していた方がよい。 |
- 外国人を対象とする入国制限
『規定』第5条では、外国人の入国制限について次のように定めている。
| 虚偽の資料又は不実の陳述による入国拒否 | 外国人が中国国外で中国ビザを申請する際、または出入国港で入国を申請する際に、虚偽の資料を提出し、または虚偽の陳述を行った場合、出入国管理機関および査証機関は、1年から5年以内に当該外国人の入国不許可の決定を下すことができる。 |
説明:外国籍の方は、提出するすべての書類の真実性を確保する必要がある。虚偽の資料や不実の陳述が発覚した場合は、数年間にわたり中国への入国が禁止される可能性がある。さらに、今後のビザ取得にも一定の影響を及ぼす。刑事処罰・行政処分による入国拒否外国人が国(辺)境管理に対し妨害を行い、刑事処罰を受けた場合、または虚偽の出入国証明書類の作成、もしくは不法な出入国により行政処分を受けた場合、出入国管理機関は、その違法行為の情状および犯罪予防の必要性に応じて、当該処分の執行終了日から起算して1年から5年以内に当該外国人の入国不許可の決定を下すことができる。
「ブラックリスト」に掲載による入国拒否外国人が反外国制裁法対象者リスト、信頼できないエンティティリスト、悪意のあるエンティティリストに掲載された、または反外国制裁措置や制限措置を講じられた等により、法により出入国証明書類の発給拒否または入国拒否等の関連措置を講じる必要がある場合は、出入国管理機関および査証機関がその職責に基づき実施する。
説明:本条の規定によると、外国人またはその所属企業が上述のリストに掲載された場合、直接的に入国は拒否される。したがって、外国籍の方は中国へ渡航する前に、関連リスクを事前に評価しておく必要がある。