主たる契約と保証契約である従たる契約は一対一で対応していなければならないのか

A社とB社は長期的な取引関係にあり、債権回収の確保と手続きの簡素化のために、A社は保証人に対し、両社間のすべての債務を包括的に保証する旨の保証承諾書の提出を求めた。このような方法は『民法典』で定められている「最高額担保」と類似する点があるものの、明確な相違も存在する。「最高額担保」では明確な期間の定めが必要であり、通常は最高債権額の限度を設定すべきであるとされている。では、このような方法は有効であろうか?

司法実務においては、この種の方法の効力を判断するにあたり、確定可能な主たる契約または根本となる主たる債権が存在するか否かが判断要素となる。

まず、保証契約に主たる契約の名称が明記されている場合、他の契約に拡張することは認められない。例えば、(2019)新01民初612号事件では、保証人は『連帯責任保証担保書』において『枠組協議書』に係る各種債務について連帯保証責任を負うことを承諾した。しかしその後、双方は『枠組協議書』を履行せず、、『建設工事請負協議書』等の別契約を締結した。債権者は後続契約と担保書に基づき保証人に保証責任の履行を求めたが、裁判所は、「主たる契約は既に限定されており、同一業務について別途締結された契約に拡張することはできない」と判断した。

次に、契約締結時の状況、契約書及び文脈等を総合的に考慮し、「すべての契約」の解釈に基づき約定の効力が判断される場合もある。例えば、(2013)浙杭商外初字第2110号事件において、裁判所は「条文の前後関係から、協議書の同一条項中で『提携協議書』に基づく調達契約を「従たる契約」と称する一方、保証範囲について「すべての契約」としていることから、この2点は範囲上区別されるべきであると。J社がJT社の法定代表者に三者間の石炭タール提携を促進させ、かつ『提携協議書』を締結する権限を授与したという事実に照らせば、J社は当時の契約履行状況およびW社の追加担保要求を認識していた。J社が「すべての契約」に対して保証を提供する意思を示していた以上、JT社とW社との間で未了のすべての業務契約に対して、J社が保証を提供すると理解すべきである」と判断し、最終的にW社の請求を認めた。

さらに、意思自治尊重の観点から有効性を認定される場合もある。例えば、(2023)蘇0214民初6515号事件において、『保証契約』において、○○物聯会社と○○実業会社との間で締結されたすべての契約(保証契約締結時点で履行中の契約及び将来締結される全ての契約を含む)を主たる債務契約とする旨が約定されていた。その後、両社は複数の売買・調達契約を締結したが、裁判所は、「保証人に連帯責任を負わせるという債務者の請求は法律及び契約の約定に合致する」と判断し、当該請求を認めた。

その他にも、主たる契約と従たる契約との関連性を分析する観点から、裁判所は主たる契約と従たる契約の締結時期を考慮する場合もある。(2022)豫0527民初2289号事件において、当事者が2015年に保証承諾書を締結したものの、主たる契約は2016年に締結された。裁判所は「1年前に締結した保証承諾書と主たる契約との対応関係を認定することはできない。」と判断した。

全体的に見れば、司法実務において統一的な裁判ルールは未だ形成されておらず、裁判官は個別案件毎に分析・判断する。保証契約は従属性を有するため、前述の諸問題により主たる契約の特定が困難になりやすい。その結果、保証人にとって、保証の対象および範囲の特定が不明確となり、予見困難となる可能性がある。したがって、企業としては、慎重を期するため、紛争が生じやすいこの種の保証方式は可能な限り回避することが望ましい。やむを得ず採用する場合は、関連契約の名称、締結の順序、具体的約定等について十分注意を払う必要がある。