出生率を上げるために、国も地方も、いわゆる“洪荒の力”(地球創生期のような中に秘められた原始的な巨大なエネルギー)を注いでいる。出産・育児に関わる福利政策の変更もその一つである。出産・育児に関わる休暇はさまざまあり、地方によって規定が異なる場合もあり、調整により変更されると、HRは頭を悩ますことになる。以下では、生育に係る各種休暇について、上海市の最新規定を整理する。
休暇名称 |
休暇期間 |
備考 |
妊娠検査休暇 |
妊娠検査頻度は医師の指示に従う。
毎回検査所要時間に関する規定はない。実務において、必要に応じて、通常、半日から1日とする。 |
- 最低頻度は『妊娠・出産期間保健業務管理弁法』第11条を参考にするとよい。
- 妊娠検査は労働時間に計上される。(『女性従業員労働保護特別規定』第6条)
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産前休暇 |
2.5か月 |
- 産前休暇は2.5か月とし、本人が申請を提出し、使用者が審査許可する。(注:下記の状況を除き、使用者は拒否する権利を有する)(『上海市女性従業員労働保護弁法(2010改正)』第12条)
- 以下のいずれかの状況に該当する場合は、使用者は許可しなければならない。…2級以上の医療保健機関の証明を取得しており、習慣性流産履歴、重大な妊娠総合症、妊娠合併症など、正常な発育に影響を与える恐れがある場合。(『上海市の〈中華人民共和国婦人権益保障法〉の実施弁法》第23条第3項)
- 長期病気休暇を申請する場合、産前休暇は取得できない。(『<上海市女性従業員労働保護弁法>における関連問題に関する上海市労働局の解釈』第6条)
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出産休暇 |
正常 |
98日 |
- 全国で統一的な基準を実行する。(『女性従業員労働保護特別規定』第7条)
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難産 |
113日 |
多胎 |
出産する乳児
が1名増えるごとに、15日追加され |
流産 |
妊娠4か月未満で流産した場合は、15日とする |
妊娠4か月以上で流産した場合は、42日とする |
産後休暇 |
60日 |
- 上海特有の規定。(『上海市人口・計画生育条例(2021改正)』第31条)
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授乳時間 |
乳児1人につき、1日あたり1時間とする。通常、乳児が1歳になるまで取得することができる。体が弱い乳児の場合は、1歳5ヶ月まで取得することができる。 |
- 「体が弱い乳児」の認定は、区・県レベル以上の医療保健機関での診断結果を必要とする。(『上海市女性従業員労働保護弁法(2010改正)』第15条)
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哺乳休暇 |
6.5か月 |
- 何らかの困難があり、仕事上の問題がない状況下で、本人が申請を提出し、使用者が審査許可する。(注:下記の状況を除き、使用者は拒否する権利を有する)(『上海市女性従業員労働保護弁法(2010改正)』第16条)
- 以下のいずれかの状況に該当する場合は、使用者は許可しなければならない。…2級以上の医療保健機関の証明を取得しており、出産後に母子の健康に重大な影響を与える疾病に罹患した場合。(『上海市の〈中華人民共和国婦人権益保障法〉の実施弁法』第23条第4項)
- 長期間病気休暇をとる場合、哺乳休暇は取得できない。(『<上海市女性従業員労働保護弁法>における関連問題に関する上海市労働局の解釈』第6条)
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育児休暇 |
1人につき1年あたり5日とし、子どもが3歳まで取得できる。 |
- 地域によって育児休暇日数が異なる。左記は上海の規定である。(『上海市人口・計画生育条例』第31条)
- 暦年を用いず、子どもの実際年齢で計算する。(『<上海市人口・計画生育条例>に関する政策解読』)
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