仕事中に突然発病した場合、48時間以内の死亡をどのように認定するか
呉氏は勤務中に突然発病し、2021年4月29日午前11時42分に入院した。5月1日未明、心停止となり、救命措置を受け、一時的に心拍は回復したものの、自発呼吸は依然としてできない状態であった。同日午前11時20分、再び心停止となり、医師による心肺蘇生や電気的除細動などの救命措置を受けたが、最終的に同日12時08分に死亡が宣告された。入院から死亡宣告まで48時間以上を経過していたことから、人力資源・社会保障部門は労災不認定の決定を下した。複数回にわたる訴訟及び最高人民検察院による抗訴を経て、最高人民法院は最終的に、本件は「病状・診療過程に対する連続的な記録から見て、呉氏は5月1日午前11時20分以降、心拍も呼吸も停止しており、その死亡は不可逆的なものであった。病院が救命措置の職責を果たし、臨床的死亡の宣告時間を遅らせたことのみを理由に、みなし労災への該当性を当然に否定するべきではない。」と判断し、呉氏を「48時間以内に応急手当を受けたにもかかわらず死亡した」場合に該当すると認定した。((2025)最高法行再516号)
『労災保険条例』第15条第1項第1号の規定によると、労働者が「勤務時間中に職場で、突然発病し、死亡した場合、または48時間以内に応急手当を受けたにもかかわらず死亡した」場合は、みなし労災とされる。しかし、この「48時間」というのは、いつから起算するか、また死亡時刻は具体的に何を指すのかという2つの問題点がのこる。
まず、48時間は従業員が倒れた時、体調が悪くなった時、あるいは救急車を呼んだ時からではなく、医療機関において最初の診断が行われた時点から起算する。この点については、旧労働・社会保障部の『〈労災保険条例〉の実施における若干問題に関する意見』第3条に明確な規定がある。したがって、実務においては、単純に48時間を遡って計算するのではなく、救急外来の診察記録、入院記録、入院前の応急処置の記録などを重点的に照合することが重要である。
次に、死亡時刻は原則として死亡証明書に記載された時刻に基づくが、死亡証明書の記載はあらゆる状況においても絶対的に覆せないものであるわけではない。『民法典』第15条には「自然人の死亡時刻は死亡証明書に記載された時刻とする。死亡証明書がない場合は戸籍登記又はその他の有効な身分証明書に記載された時刻とする。」と規定している。これが前述の最高人民法院の判例で注目すべき点である。同判例では、「48時間を超えた場合も労災とみなされる」という新しいルールを確立したのではなく、特定の証拠条件の下で、実際の死亡時刻について実質的な審査を行ったのだ。
しかしながら、この判例は普遍的なルールではない。例えば、(2024)滬7101行初427号事件において、遺族は「48時間以内に脳死状態に陥った」と主張したが、最終的にみなし労災と認定されなかった。(2017)魯行申127号事件において、山東省高級人民法院は脳死と診断された時点を死亡時刻と認定することを認めた。
「植物状態」については比較的明確で、脳死とは異なり、死亡ではない。『「人体損傷傷害程度分級」の公布に関する最高人民法院、最高人民検察院、公安部等の公告』第5.1.1条では、「持続的植物生存状態」は死亡ではなく、障害等級一級(最も重い等級)に分類されている。したがって、従業員が発病から48時間以内に植物状態に陥ったとしても、生存している限り、「48時間以内に救命措置を受けたにもかかわらず死亡した」と認定されることはない。
いずれにせよ、従業員が職場で突然重篤な病気に陥った場合、直ちに病院に搬送することが最優先事項である。48時間という境界線に係る場合は、単に「48時間を遡って起算する」のではなく、受診から診療、救命措置、死亡宣告に至るまでの一連の証拠によって確認する必要がある。