『生態環境法典』が2026年8月15日より施行
2026年3月12日に『生態環境法典』が採択され、2026年8月15日より施行される。これは民法典以降、「法典」と命名された2番目の法律である。当該法典の施行日より、『環境保護法』、『環境影響評価法』、『海洋環境保護法』、『大気汚染防治法』、『水汚染防治法』、『土壌汚染防治法』、『固体廃棄物汚染環境防治法』、『騒音汚染防治法』、『放射性汚染防治法』、『クリーン生産促進法』など計10の法律が同時に廃止される。
『生態環境法典』では上述の各法律のほとんどの内容を統合したものであるが、新規規定も追加されている。以下、当該法典について簡単に紹介する。
- 体系フレームワーク
法典は、総則、汚染の防止・処理、生態保護、グリーン低炭素発展、法律責任の5編を含む。その中、グリーン低炭素発展編は新規追加した特定編であり、系統的に「双炭(注:カーボンピークアウトとカーボンニュートラルを指す)」、循環経済、クリーン生産について定めている。
- 汚染の防止・処理編
7つの汚染防治法(大気、水、土壌、固体廃棄物、騒音、放射性、海洋)の内容を統合し、汚染要素の境界線をなくした。新規追加した内容は主に:
- 大気汚染の防止・処理:移動発生源に対する重点的な監督管理:鉄道機関車、非道路移動機械を全面的に組み入れること、大型トラック、船舶、建設機械の排出に対する管理コントロールを強化すること。飲食店の油煙、悪臭汚染の特定項目の規範化を含む。
- 水汚染の防止・処理:地下水汚染のリスク管理コントロールと修復制度。
- 土壌汚染の防止・処理:土壌汚染責任者認定と遡及制度。政府、企業、第三者機構の責任を明確にする。
- 固体廃棄物汚染の防止・処理:新エネルギー車の動力電池、光起電力モジュール、廃プラスチックなどの強制回収義務を規定した。固体廃棄物の省を跨ぐ移転情報プラットフォームと全過程の追跡。
- 騒音汚染の防止・処理:都市軌道交通、航空、建築施工などの重点領域の騒音管理コントロール。
- 放射性と新規汚染物質の防止・処理:新規汚染物質、光汚染、電磁放射の特別節:新規汚染物質リスト管理制度を確立し、化学物質に対してリスク評価、管理コントロール、処理全プロセスの規制の実施。
- 海洋汚染の防止・処理:海洋生態保護レッドライン、海洋炭素シンク、浜海湿地保護制度を確立し、かつ陸地生態保護メカニズムへつなげる。
- 生態保護編
新たに追加された重要な規定は5つある。(1)初となる生態修復活動に関わる原則、プロセス、重点分野に対する規定。(2)外来種の侵入防止制度を新設する。(3)山脈、水流、森林、田畑、湖、草原、砂漠の一体化保護と修復の原則を確立する。(4)森林、草原、湿地、海洋、鉱区などの修復プロセスと基準を細分化する。
- グリーン低炭素発展編
『クリーン生産促進法』、『循環経済促進法』、『エネルギー法』、『省エネ法』、『再生可能エネルギー法』などの関連法律法規の一部の規定を整合した。汚染の防止・処理編とは異なり、本編では『クリーン生産促進法』のみを廃止し、その他のエネルギー関連法令は廃止していない。そのため、廃止されていない法律の関連規定は遵守しなければならない。また、本編では炭素排出総量と強度コントロール制度を確立し、「双炭」目標を国民経済と社会発展計画に組み入れ、炭素削減・排出減少の法定義務を明確にした。この部分では2024年5月1日から施行されている『炭素排出権取引管理暫定条例』の一部でもある。
全体的に言えば、『生態環境法典』の立法地位は環境保護を汚染の処理・防止から生態保護および生態資源の商業化へ転換しつつある。今後、グリーン低炭素発展編においてより多くの分野が研究対象となる。