外商投資企業「三項基金」残高処理規則が公布
2020年1月1日に廃止された『中外合資経営企業法』及びその実施条例によると、外商投資企業は法により準備基金、従業員奨励及び福祉基金、企業発展基金(以下「三項基金」という)を積み立てなければならない。2020年1月1日より施行されている『外商投資法』では、外商投資企業も『会社法』の適用を受けることが定められ、以前の法律により設立された外商投資企業に対しては5年間の過渡期間(すなわち2024年12月31日まで)を設定した。『会社法』によると、外商投資企業は「三項基金」を積み立てる必要はない。但し、積み立てた三項基金の残高を如何に処理するかなどについての明確な規則はなかった。
2025年6月9日、財政部は『会社法、外商投資法施行後の財務処理問題に関する財政部の通知』(財資2025101号)を公布し、積立金で欠損を補填すること、非貨幣財産で値段をつけ、出資すること及び三項基金の残高を処理することについて規定した。その中で「三項基金」の残高処理規定のポイントは以下の通りである。
1、準備基金の残高を法定積立金に転換して管理・使用し、企業発展基金の残高を任意積立金に転換し管理・使用する。
2、従業員奨励及び福祉基金は、積立時に確定した用途、使用条件、プロセスに従って使用する。清算時、『〈会社法〉施行後の企業財務処理問題に関する財政部の通知』(財企200667号)の規定に従って負債として管理し、従業員奨励及び福祉基金は『外商投資企業の清算期の財政財務管理関連規定に関する通知』(財工字【1995】222号)に従って執行する。
以上のことから、正常に経営している外資企業が従業員奨励や福祉基金を使用することについての強行規定はない。従って、積立時に従業員奨励と福祉基金の用途、使用条件、プロセスに不明な点があれば、できるだけ早く規則を制定して相応に処理すると良い。清算段階にある外資企業であれば、従業員奨励及び福祉基金は清算財産に属さない。但し、外国側が脱退する状況においては、従業員奨励及び福祉基金は存続会社の公益金に合併される。会社解散の場合は、従業員奨励及び福祉基金は中国側の従業員の所属企業に属する。会社終了の場合は、従業員奨励及び福祉基金は受取機関に渡される。ここでの受取機関とは株主を指すと理解できる。
また、注意すべきことは、財資〔2025〕101号では、「2025年1月1日から準備基金、企業発展基金、従業員奨励及び福祉基金を計上しない。2025年1月1日以降に計上されたものは繰り戻される」ことを明確に規定している。