『安全生産責任保険実施弁法』が2025年3月29日より施行
2017年、元国家安全監督管理総局、元中国保険監督管理委員会、財政部の3部門は共同で『安全生産責任保険実施弁法』(安監総弁2017140号)を公布し、安全責任保険制度を確立した。2021年に改正された『安全生産法』では、安全責任保険制度について新たな要求が追加され、「国が規定したハイリスク業界や分野に属する生産経営組織は、安全生産責任保険に加入しなければならない」と明確にした。このような背景から、緊急時対応管理部は財政部、金融監督管理総局、工業と情報化部、住宅都市・農村建設部、交通運輸部、農業農村部の6部門と共同で『安全生産責任保険実施弁法』(応急対応202527号、以下「27号文書」という)を改正した。
27号文書における以下の新規則は関連企業にとって注目に値する。
- 安全生産責任保険をかけるべき業界や分野の範囲の一層明確化
具体的には鉱山、危険化学品、花火・爆竹、交通運輸、建築施工、民用爆発物、金属製錬、漁業生産などのハイリスク業界や分野の組織が含まれる。
又、27号文書では以下の要求を明確にした。(1)生産経営組織は安全生産責任保険料を適時に全額納付しなければならない。またいかなる方式においても従業員個人に負担させてはならない。(2)保険料は企業の安全生産費用から支出することができる。
- 安全生産責任保険の適用対象の明確化
臨時労働者、派遣労働者などを含む従業員全員を対象として保険に加入しなければならない。保険金額は同一基準を採用し、雇用形態や職位などによって差別してはならない。
- 安全生産責任保険の賠償範囲の一層明確化
27号文書では、安全生産責任保険の賠償範囲を(1)従業員の人身死傷、(2)第三者の人身死傷と財産損失、(3)事故の緊急救援、医療救護、事故鑑定、法律訴訟などの費用の3つに分けている。ただし、生産系企業に発生する広義の人身死傷とは異なり、従業員の人身死傷は「生産安全事故により保険対象者が法的責任を負うべき従業員の死傷」と限定している。
- 安全生産責任保険のコミッション比率の上限の明確化
27号文書では、安全生産責任保険のコミッション比率が5%を超えてはならないことを規定している。保険機構が保険料を事故予防と損失補償に使用するのに役立つ。
- 死亡障害責任限度額の引き上げ
27号文書では安全生産責任保険の1人当たりの死亡・障害責任限度額を30万元から40万元に引き上げている。各地においては、この最低保障限度額を基に実情に応じて現地の最低保障限度額を確定することができる。
その他、事故発生後、確定した保険賠償金を法律と契約に基づく迅速な支払いや前払いができるように、27号文書では損害賠償サービスを最適化し、重大または典型的な事故の迅速な損害賠償メカニズムと前払い賠償メカニズムを確立している。