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    高温手当の問題点

        ある浙江会社の上海支社を退職するときに、高温手当の支給について李さんと当該会社との間で紛争が生じた。会社は、既に本社の規則制度に照らし合わせ本社所在地の浙江省の基準に従い高温手当を支給したが、李さんは上海の基準(浙江の基準より高い)に従い支給すべきだと主張し、司法機関に対し不足分の追加支給するよう請求した。最終的に李さんの主張が支持を得た。

        実務において、高温手当の支給をめぐる紛争が多発している。上述の案例のように本社と支社の所在地が異なる場合の高温手当の基準をめぐって生じる紛争はその中の一例である。『防暑降温措置管理弁法』では、高温手当の基準は規定せず、省レベルの人力資源社会保障行政部門に対し、関連部門と共同で各地の経済発展状況に適合する高温手当の基準を制定する権限を授けている。そのため、各地が規定した高温手当の基準に差異が見られる。例えば、高温手当の支給期間については、北京は6-8月、江浙滬は6-9月である;高温手当の金額については、上海は200元/月、広東は150元/月である;湖北省や安徽省等は日当たりとして計算し、江浙滬は月当たりとして計算する。本社と支社、事務所等の所在地が同一の地域ではない場合は、どの地域の基準により高温手当を支給するかが現実の問題となっている。

        本件において、浙江会社が統一的に本社所在地の基準により高温手当を支給する方法は、従業員所在地の高温手当基準が本社所在地の基準を超えたために、法的リスクが生じた。これについて、企業は下記の措置を講じて当該問題を解決することができる:一、規則制度において具体的な規定を行わず、高温手当の基準及び支給に関連する法律規定を適用することを明確にする;二、事前に関連労働部門に対し書面で高温手当の実務規則を確認し、法的リスクを下げる。

        また、実務において、冷房のある事務所内で勤務する場合の高温手当の支給の要否はもう一つの問題である。多くの労働者は、基本的に日当たりの最高気温が35℃以上である場合は、高温手当を支給すべきであると判断されている。実際は、『防暑降温措置管理弁法』第2条の規定によると、高温手当は「高温下で作業、及び高気温期間内に作業する」労働者のみに適用される。又当該弁法第3条の規定によると、「高気温期間内に作業する」とは、「労働者が高温気候下の露天 で作業する」ことをさす。従って、冷房のある場所で勤務する労働者は高温手当の支給対象に該当しない。

        そのほか、高温手当を現物で代替支給できるか否かは多くの企業が困惑する問題である。『防暑降温措置管理弁法』の関連規定では、下記のように記されている。、雇用企業は防暑降温の効能のある飲料及び必要な薬品を提供する義務を負い、防暑降温のために支給する飲料を金銭や現物で代替してはならない。又、防暑降温のために支給する飲料は高温手当に充当してはならない。かつ、雇用企業が支給する高温手当は賃金総額に含まれ、最低賃金基準の範囲に含まれない。