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    社員食堂を外部業者に委託する際のポイント

    実務において、社員食堂を比較的成熟したサプライチェーンシステムと飲食サービス経験のある第三者に委託する会社が多い。しかし、食堂は食品の安全と従業員の健康に関与し、法令でも特別な制限や要求を設けられているため、関連規定と実務規則に注意を払わなければ、食品安全事故、行政処分など現実的リスクを引き起こす恐れがある。

    社員食堂を外部業者に委託する際の注意点について話そう。

    まずは、「資格・経験のある第三者に委託すればいい」という認識を改めること。『食品安全法』(2021年改正)の第35条には、「国は食品の生産経営に対して許可制度を実施する。食品の生産、食品の販売、飲食サービスに従事するには、法に基づいた許可を取得しなければならない。」と規定している。『食品経営許可管理弁法』第9条第3項では、「機関、事業体、社会団体、民営非企業組織、企業などが内部食堂の設立を申請する場合、機関または事業体の法人登記証、社会団体登記証または営業許可証などに記載された主体を申請者とする」と規定している。そのため、社内に社員食堂を設置し、集中的に食事を提供する場合、会社は法に基づき食品経営許可証を取得する必要がある。

    会社が食品経営許可証を取得すれば、第三者(請負業者)は食品経営許可証を持っていなくてもいいのではないかという疑問を抱く人もいるかもしれない。

    『食品安全法実施条例』第28条には、「学校、保育機構、養老機構、建築工事現場など集中的に食事をとる組織の食堂は、原料のコントロール、食器・飲料器具の洗浄・消毒、食品サンプルの保存などの制度を設け、食品安全法第47条の規定に従い、定期的に食堂の食品安全の自主検査を行わなければならない。集中給食組織の食堂の経営を請け負う場合は、法に従い食品経営許可を取得し、食堂の食品安全に責任を負わなければならない。」と規定している。上述の第28条に明記された集中給食組織はいずれも特殊な組織であり、一般の社員食堂を請け負う場合に、食品経営許可の取得が必要であるか否かについては意見が一致しない。そのため、監督管理部門の実務規則と処分措置を理解しておく必要がある。

    実務において、一部の市場監督管理部門は「社員食堂のアウトソーシングを行う場合は、食品経営許可証を申請するために提供する資料には、請負業者の食品経営許可証も含まれる」ことを明確に定めた。企業が所在する地区の監督管理部門から類似の要求が出た場合は、関連要求に従って実行する。

    企業が所在する地区の監督管理部門から類似の要求が出ていない場合は、企業が食品経営許可証を取得した後、食品経営許可証を取得していない第三者に委託してもいいのだろうか?

    判例によると、結論は以下のとおりとなる。

    1、監督管理部門は通常、請負業者の行為が「食品生産経営許可証を取得せずに飲食サービスを提供する」という無免許経営行為に該当すると認定し、『食品安全法』第35条の規定に違反したとして処分を行う。

    2、請負業者に処分を行ったからといって、委託者である企業が処分を受けずに済むわけではない。『食品安全法』第122条第2項の規定によると、前項でいう違法行為(注:食品生産経営許可を取得せずに食品生産経営活動に従事することを含む)に該当することを知りながらも、生産経営場所またはその他の条件を提供した場合は、県レベル以上の人民政府食品安全監督管理部門は違法行為の停止を命じ、違法所得の没収、5万元以上10万元以下の過料を併科する。消費者の合法的権益に損害をもたらした場合、食品、食品添加物の生産経営者と連帯して責任を負わなければならない。滬市監青処字(2019)第292019001364号処分決定書には、「当事者は社員の食事問題を解決するために経営場所を〇〇に委託し飲食サービスを請け負わせた。経営管理には関与せず、損益も〇〇が負担する。但し、〇〇は『食品経営許可証』を取得していない。本件において、行政機関は〇〇のみならず、当事者にも処分を行った。行政機関の判断で、当事者は〇〇が『食品経営許可証』を取得していないことを知りながらも、〇〇と請負協議書を締結し、〇〇に対して飲食サービスを行うための経営場所を提供したと認定されたからである。」と指摘した。

    以上のことから、社員食堂の外部委託について、以下のポイントに注意すべきである。

    第一に、会社は食堂開設のために食品経営許可証を取得するとともに、食堂のアウトソーシングにあたって、請負業者が食品経営許可証取得済みであることを確認する。請負協議書において、請負業者は上述の資格の持続的な有効性を確保しなければならないことや、違反した場合の責任負担(会社の一方的な解約権、損害賠償などを含む)を明確に約定しておく。

    第二に、リスクと責任を低減することを考慮し、事故発生時に、請負業者が食品生産経営活動に従事する主体であると監督管理部門が認定できるように、請負協議書において、請負業者の食品安全保障責任を詳しく約定しておき、食堂に対する管理・コントロール能力、義務及び違約/権利侵害責任などを指摘する。

    第三に、日常経営において、請負業者に食品安全管理制度の実施を促すと同時に、GB31654-2021『食品安全国家標準 飲食サービス通用衛生規範』などの規定を参考とし、請負業者の経営活動に対して不定期で抜き取り検査を行い、関連証拠を保管しておく。