外国人が商用暗号化製品を使用する場合は、許可を得る必要があるのか?

    2007年の『海外組織及び個人の中国における商用暗号化製品使用管理弁法』の規定によると、外国人が海外から輸入された商用暗号化製品を中国国内で使用する場合、『海外製商用暗号化製品使用許可証』を申請し、取得する必要があり、中国国内で購入した商用暗号化製品を使用する場合は、『海外組織又は個人の商用暗号化製品使用許可証』を申請し、取得する必要がある。実務において、外国人は暗号化製品又は暗号技術を含む設備を使用したことで、公安機関の警告を受け、関連設備を没収されたケースもあるため、当該問題は中国に滞在する外国人の関心を引き寄せている。
    2017年9月30日に国務院が公布した『一部の行政許可事項の取消についての決定』(国発〔2017〕46号)は大きな注目を浴びている。当該文書では、商用暗号化製品について、「海外組織又は個人が中国国内で暗号化製品又は暗号化技術を含む設備を使用することに対する許可」などを含む四つの行政許可事項を取り消すことが規定された。文面からすると、外国人による暗号化製品又は暗号化技術を含む設備の使用に対する制限は廃止されたように見える。
    しかし、その直後、2017年10月11日に国家暗号管理局が公布した『商用暗号化製品製造業許可等四つの行政許可取消後における関連管理政策の引き継ぎについての通知』(国密局〔2017〕336号)第3条には、外国人は「暗号化製品又は暗号化技術を含む設備を使用する場合、国家暗号管理局の許可を得る必要がない。但し、使用対象となる暗号化製品又は暗号化技術を含む設備について、海外から輸入する必要がある場合は、依然として『暗号化製品又は暗号化技術を含む設備輸入許可証』を申請して取得する必要がある。」と規定されている。また、一つ注意すべきことは、外商投資企業、海外組織は海外から暗号化製品又は暗号化技術を含む設備を輸入する場合は、前述の『暗号化製品又は暗号化技術を含む設備輸入許可証』を申請し、取得する必要もあるが、内資企業は当該規制を受けない。
    従って、外国人は商用暗号化製品を中国国内に持ち込む際に、事前に『暗号化製品又は暗号化技術を含む設備輸入許可証』を申請し取得する必要があるが、中国国内で販売されている商用暗号化製品を購入又は使用する場合は、許可手続を行う必要がない。
    但し、外国人は中国国内の暗号化製品又は暗号化技術を含む設備を使用する場合、以下の事項に留意する必要があると思われる。第一に、国密局〔2017〕336号文書によると、暗号化製品の製造?販売企業主体に対する国家暗号管理局の許可は必要ないが、型番ごとに『商用暗号化製品型番証書』の申請取得は必要とされている。従って、使用対象となる暗号化製品又は暗号化技術を含む設備について、『商用暗号化製品型番証書』が取得されているか否かを確認すべきである。第二に、公安部による『コンピューター情報システム安全専用製品検査?販売許可証管理弁法』によると、暗号化したソフトウェアはコンピューター情報システム安全専用製品に属すため、中国国内の安全専用製品の販売にあたっては、販売許可証制度を実施する。従って、中国国内で暗号化したソフトウェアを購入する場合は、公安部から発行される『安全専用製品販売許可証』を取得したか否かを確認すべきである。