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    上海市高級人民法院知的財産権庁が「職務発明創造における発明者又は考案者の奨励、報酬紛争審理指導」を公布

        上海市高級人民法院知的財産権庁は2013年6月末に「職務発明創造における発明者又は考案者の奨励、報酬紛争審理指導」(以下「指導」という)を公布し、上海の関連裁判所の案件審理の参考に供する。「指導」における以下の規定は企業にとって、重要であり、指導的意義を有する。

        「指導」では、約定を優先して考え、また、約定した額が原則的に法律の定めより下回ることができると明らかにした。  

        従って、約定又は規則制度に関連の規定がない場合に法律が定めている奨励、報酬比率の適用を避けるために、企業は、できる限り早く規則制度又は「労働契約」などにおいて関連の規定を定める必要がある。 

        「指導」第5条、第6条に基づき、裁判所は約定の形式の適法性、約定の内容の合理性と二つの方面から審査する。

        約定の形式の合法性。約定の形式は、二つある。(1)会社と発明者が協議して約定する;(2)会社が法により規則制度を制定する際に規定する。前者は主に「契約法」、「労働契約法」の規定を依拠とし、当該約定が有効であるかどうか、又は「契約法」で規定されている契約無効又は取消、変更の事由があるかどうかを判断する。後者は主に「会社法」、「労働契約法」の規定に基づき、規則制度の制定手続きの合法性、即ち法律が定める民主的な協議及び公示手続きを履行したかなどを審査する。 

        約定の内容の合理性。「指導」では、「企業の経営自主権を尊重し、当事者の自由意思を尊重し、通常の場合に、法律により定められる手続きにより行われた約定である限り、相応の職務発明創造の奨励・報酬制度は合理である」と規定している一方、「約定された奨励、報酬の金額が極めて低く不合理である場合は、裁判所が具体的な案件の事実に基づき合理的な奨励、報酬の基準を確定する。」ことを明確にしている。注意すべきは、上海市高級人民法院は、当該状況において「約定が既に行われた」ため、法律が定める基準の適用を明確に排除し、即ち裁判所が斟酌して確定すると認識している。

        そのほか、「指導」では、特許出願権の帰属は発明創造の完成地により確定されるなどを規定している。それは、関連企業にとって啓発的な意義を持つと考えられる。