比較広告は絶対に禁止されるか?

    「1ヘルツは既にOUTだぞ。消費者を騙すな!」 「直流電流はとっくにOUTだ。10年前の技術をもう使うな!」 これは、 2012年4月美的会社と格力会社が江西省で空調製品をめぐり、競い合って出した広告である。商業広告が登場した後、二社はそれぞれ訴訟を提起し、相手方が「不正競争防止法」に違反したと主張し、損害賠償を請求した。裁判所は、審理を経て、二社が共に空調製品を販売しているため、競争関係にあり、事件にかかわる双方の広告により空調製品を購入する消費者に双方各自ブランドの空調製品に対する誤解を与える可能性があり、また消費者の購入決定に影響を与えると認定し、最終的に双方が直ちに関連広告の掲載を停止し、「江南都市報」、「南昌晩報」において同じレイアウトを用い相手に向けて謝罪声明を掲載するよう判決を下した。
    
    比較広告で懸命に競い合うことにより、新聞において同じレイアウトでお互いに謝罪が行われることとなったのは茶番のようだが、激しい商業競争において広告内容の適法性の判断基準に対して、企業の認識が不足していることも反映している。  

    比較広告について、「不正競争防止法」、「広告法」及び関連法律、法規では、列挙方法にて比較禁止事項を並べており、主に下記の6種類を含む:

    (1)絶対化した言葉の使用禁止。例えば、「広告法」第7条第(3)項では、広告には国家級、最高級、最良などの言葉を使用してはならないと規定している。

    (2)誹謗中傷の禁止。例えば、「広告審査基準」第35条では、比較広告で使用される言語、文字は正確で、消費者が理解できるものでなければならないと規定している。

    (3)直接又は間接的な方法によりその他の製品を中傷、誹謗してはならず、誤解を招く虚偽の宣伝を禁止する。例えば「不正競争防止法」第9条では、事業者は広告又はその他の方法を用いて、商品の品質、製造成分、性能、用途、生産者、有効期間及び原産地などについて、人を誤認させる虚偽の宣伝をしてはならないことを規定している。

    (4)直接比較を禁止し、間接比較を制限する。例えば「広告審査基準」第32条では、広告で比較する内容は具体的な製品又はサービスに関連してはならず、又はその他の直接比較方法を採用してはならない。普通の同類の製品又はサービスに対して間接比較を行う広告は、科学的根拠及び証明を具備しなければならない。

    (5)根拠のない言葉を禁止する。例えば「広告法」第10条では、広告がデータ、統計資料、調査結果、文章の要約、引用を使用する場合は、真実、正確で、出所を表示しなければならないことを規定している。

    (6)わざと人を驚かす言葉を禁止する。例えば「広告審査基準」第36条では、比較広告は連想法により消費者を誤解させてはならず、当該製品(安全又は労働保護用品を除く)の不使用により重大な損失又は不良な結果を引き起こす可能性があるという感覚を与えてはならないことを規定している。

    前述した二社の空調会社の広告は、上述の(3)又は(4)の関連規定に違反する恐れがあると考えられる。 

    しかしながら、決していかなる比較広告も法律で禁止される対象に該当するわけではない。国家工商局の「広告審査基準」の規定によると、比較広告にかかわる製品は同じ又は類比できるものでなければならず、その比較する内容は比較性があり、事実を基礎とし、且つそれらの事実が証明できるものである。つまり、合法的な比較広告は、①製品は同じ又は類比できるものであり、②事実を基礎とするという二つの前提を満たす必要がある。例えば、ライバルの数年前の製品を自社の新規製品と比較する場合は、一般的に同じ又は類比できるものと看做されない。逆に、ライバルの製品の細菌数量が国家基準を超えたことが暴かれた後、企業が広告を出して、自分の製品の細菌数量が国家基準に合致することを強調する場合は、一般的に違法と認定されない。 

    実務において、比較広告に該当するかどうかについては、通常明らかな境界線がない。参考になる方法としては、自社製品のアップグレード前後を比較することである。その場合、他社の製品技術がアップグレードされていないことを密かに風刺していると疑われる可能性があるが、広告において必要な注釈を加えた場合は、他社が主張を提起したとしても認められないと思われる。P&G、ユニリーバなどの会社は当該方法をよく採用し、例えばオレーイ化粧品と水分補給モイスチャー・クリームを比較する際に、比較欄にて効果が比較的悪い製品の左下角において細字で「アップグレード前の製品」という注釈を加えている。