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    競合他社製品と類似の型番を使用することは、問題となるのか?

    製品型番とは、製品を識別するための品番を指す。通常、型番は数個の英字、数字、英字+数字を組み合わせ、単独、又はブランド名と共に特定の型番として構成される。例えば、アウディA4、Q7。

    一部の型番は、それ自体が比較的特別なものである。企業の長期的な使用・宣伝を経て、消費者は商品の型番を見ると、どの企業が販売しているものであるかをすぐ判断できる。言い換えれば、型番は商品の出所を区分する役割を果たす。但し、大部分の型番は、この機能を有しない。

    実務において、一部の企業は自社製品にライバルと類似する製品型番を使用している。無意識に使用して「衝突」するケースもあれば、故意に使用して「当たり屋行為」となるケースもある。このような場合、法的リスクは存在するのか?

    上記の問いについての答えは、一概には言えないため、状況によって判断する必要がある。

    ライバルの製品型番が業界において一般的な名称に該当し、かつ商標登録が行われていない場合は、ライバルと類似する型番の使用は通常、権利侵害にならない。例えば、浙江省紹興市中級法院は(2020)浙06民初193号判決において、「ZR-1000は商品型番に該当し、英字と数字で組み合わせたものである。〇〇会社の商品型番の一つに属しているが、その顕著性は高くない。また、マスク細菌濾過効率(BFE)検知器は商品の共通名称である。ZR-1000のマスク細菌濾過効率(BFE)検知器は商品型番と共通名称の組み合わせであり、その顕著性も高くない。」と指摘した。

    また、商品型番そのものの顕著性以外にも、商用において顕著な特徴が現れるか否か、特定の商品との間に安定的な対応関係を形成するか否かも法院の注目点となる。福建省高級人民法院は(2021) 閩民終1161号判決において顕著性を分析するとともに、特に「……審理において、〇〇会社は以下の通り確認した。……製品型番が業界において唯一性を有しないこと。ZR-1000が当該会社の長期的な使用を経て顕著な特徴を有しており、〇〇会社が製造するマスク細菌濾過効率検知器との間に安定的な対応関係を形成したような証拠はない。」ことを強調した。

    逆に言えば、もし商品型番が比較的特別で、又は使用を経て、同類の製品との区別が明らかになり、かつ一定の市場知名度を有するようになった場合は、『反不正当競争法』第6条により保護を受ける可能性がある。『最高人民法院による「中華人民共和国反不正競争法」の適用に関する若干問題の解釈』では、「商品の共通名称、図形、型番などの標識は使用を経て顕著な特徴を得て、一定の市場知名度を有し、当事者が反不正競争法第6条の規定に基づいて保護するよう要求した場合、人民法院は支持すべき」と定めている。

    江蘇省高級人民法院の典型的な裁判例を見て見よう。「CM1は開○会社の製品型番であると同時に、有名な商品固有の名称の特性にも合致しており、実際の使用においても有名な商品固有の名称の機能を発揮する。第一に、CM1シリーズは、開○会社が中国電器産業協会及びその共通低圧電気分会の審査を受けて登録した専用製品型番であり、唯一性を有する。他社は一律にそれを使用してはならない。これは、関連商品とは異なり、関連商品と区別できる顕著な特徴を有することを明らかにしている。第二に、CM1シリーズは、国が重点的に保護する低圧電器製品型番でもある。その内、「C」は開○会社を、「M」はプラスチックシェル遮断器を、「1」はデザイン順番を指す。これは、CM1製品型番と開○会社との間に自然なつながりをもたらし、消費者にとって、開○会社と同類製品のメーカーを区分するための標識となることを表明している。第三に、105社の設計業者及び分会内の50社の企業向けのアンケートによると、開○会社及びそのCM1プラスチックシェル遮断器は業界内で高い影響力を有する。ユーザーの間で高い知名度を有し、関連ユーザーは、CM1製品の専有型番を熟知しており、同類製品のメーカーと区分するための特有の標識になっている。」((2005)蘇民三終字第0108号判決)。

    従って、企業が製品を命名するときに、ライバルと類似する型番を使用しないように心がけるべきである。

    諸事情により、ライバルと類似の型番を使用する場合は、少なくとも以下の2点に注意すべきである。1、業界内において非常に高い知名度を有する製品型番は使用しない。2、製品自体及びその包装、宣伝において、ライバルの著作権、商標権などの知的財産権を侵害すると認定されないよう注意する。又、ライバルとの混同や消費者の誤解を招き、不正競争と認定されるリスクを避けるために、自社商標の使用を強調させることを提案する。