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    工会主席が規則制度に著しく違反した場合、解雇できるか?

    上海K社調達部の部門長兼工会主席である詹氏は虚偽の病気休暇を取得したため、K社から「重大な規則制度違反」を理由に解雇された。詹氏は労働仲裁を提起し、工会主席の解雇は上級の工会の同意を得ていないため、違法解雇に該当すると主張した。
    『工会法』、『企業工会主席合法権益保護暫定弁法』等では、労働組合での職務の履行により企業からの不公平な扱いを避けるため、工会委員、特に工会主席と工会副主席の合法的な権益の保護について特別な規定を定めている。その一方で、『工会法』第18条では、在任期間内に個人に重大な過失がある場合は、特別な保護を受けないことが明らかにされている。「個人の重大な過失」について、『民事審判業務における<中華人民共和国工会法>の適用の若干問題に関する最高人民法院の解釈』第2条によると、「『労働法』第25条第(2)号、第(3)号又は第(4)号でいう重大な紀律違反の状況を指す。
    従って、工会主席が重大な紀律違反を行った場合、企業は労働契約を解除することができる。
    しかし、注意すべきことは、労働組合との間の手続きについて、工会へ通知をすればよいのか、それとも上級工会の同意を得る必要があるのか、事前に企業所在地の規定を確認する必要がある。その理由は、一部の省・市の地方性法規では、工会主席と労働契約を解除する場合は、上級工会の同意を得なければならないと定められているからである。例えば、『江蘇省による<中華人民共和国工会法>の実施弁法』第25条、『江西省企業工会工作条例』第21条、『北京市による<中華人民共和国工会法>の実施弁法』第18条等には、上記旨規定している。一方、上海市、広東省等では関連規定がない。文頭の事案については、企業所在地が上海であるため、上海市第一中級法院は、判決書において「K社は提訴前に工会への通知手続を補正して通知義務を履行した。詹氏は当時K社の工会主席を務めていたが、企業が工会主席である労働者に対して紀律違反を理由に労働契約を解除してはならないことは、法令では定められていない。」と指摘した。
    実務において、工会主席の解雇について上級工会の同意が必要と規定されている地域では、上級工会が同意又は不同意の意思表示をしなかったり、棄権の意思表示をすることがある。その場合、企業はどう対応すればよいのか?
    全体的に言えば、企業は合理的なタイミングをつかんで上級工会に明確な意見を求めると同時に、関連証拠を固めるよう提案する。具体的には、以下の措置が考えられる
    (1)意見を求めるための書面を提出するときに、速達郵便物の受取書を保留する。面と向かって手渡すときに、相手の受取記録を取得する。
    (2)上級の工会が責任のなすりつけ合いをし、又は棄権の意思表示をした場合、企業は、同意又は不同意に関する明確な返事がほしいことや返事の期限、また同意しない場合は、その明確な理由の提供が望ましいことを書面にて上級の工会にお願いする。それでも、なお上級の工会から「同意」を得られななかったとしても、違法解雇と認定されるリスクは低くなると思われる。又、具体的な状況に応じて、上級工会の上級に事情を説明したうえで協力してもらうことにより問題解決を図ることも考えられる。この過程において、企業は解雇問題を慎重に対処し、法律を遵守する姿勢を示すこともできる。