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    自宅待機期間中の賃金は支払う必要があるか

    2018年1月、郭さんが仕事上のミスを犯したため、会社は郭さんに対し自宅待機を命じ、賃金の支払いも行わなかった。その後、一方的に労働契約を解除されたため、郭さんは労働仲裁を提起した。その請求事項の一つが「会社に自宅待機期間中の賃金を支払え」であった。仲裁、訴訟を経て、最終的に裁判所は、労働契約解除前に双方の労働関係が解除されていないため、会社は法に従い賃金を支払うべきであると認定した(詳細は(2020) 吉01民終1642号判決参照)。

    本件のようなケースは珍しくない。従業員が不正行為又は仕事上のミスを犯した場合、調査を実施する際に、従業員による証拠廃棄などを防止するため、多くの会社は従業員に一定期間中の自宅待機を命じる。会社が法に従い制定した規則制度上で、特定の状況に適用する自宅待機措置を明文化している場合は、通常、それは会社の経営管理権行使であると解され、従業員の労働基本権を違法に剥奪する行為と認定されない。

    実務において、自宅待機中の待遇問題によってもたらされるトラブルは多い。

    現行の法律規定、司法解釈では自宅待機期間の待遇は明確にされていない。『機関・事業体の職員の停職審査期間の賃金処理意見に関する通知』(人発〔1999〕134号。廃止されていない)では、「停職審査終了後、対象者の職員に対して行政処分又は行政紀律処分を行わなかった場合は、賃金を追給する。」ことを定めた。浙江省における『機関・事業体の職員の停職審査期間の賃金処理意見に関する通知』(浙人薪〔2001〕217号)では、「停職期間内は所定基準に従い生活費を支給する。事業体は賃金の固定分に従い生活費を支給する。」ことを定めた。

    司法実務では、上述の規定が適用される傾向が見られる。

    各地の判決からみて、自宅待機期間の賃金を支払わない場合、一般的に、裁判所は、これを認めない。労働関係存続期間内に自らの事由によらない原因で従業員が労働の義務を果たさない場合は、客観的な労働条件を備えていないという状況に該当し、労働報酬を受け取るべきであるというのがその理由である。(2020)吉01民終1642号、(2017)蘇01民終8588号はその適例である。

    一方、労使双方間に約定がある場合に、停職処分を受けた従業員の賃金引き下げを認める既存判決は少なくない。その理由は、自宅待機期間中の仕事の内容、難易度は正常な職務遂行時とは異なる。従って、労働契約の約定及び法令に合致する状況下で、従業員に対して基本給のみを支給するか、又は当地の最低賃金基準に基づき賃金を支給することができる(例えば、(2019)蘇民申1845号)。但し、特に注意すべきことは、調査により従業員の過失が認められないことが確認された場合は、使用者は未払いの賃金を追給しなければならない((2018)蘇01民終6334号)。