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    『暗号法』が2020年1月1日より施行

    暗号は情報ネットワークのセキュリティを保障するコア技術と基幹であり、国家の政治、経済、国防、情報のセキュリティに直接係る重要なものである。長期に亘り、中国では暗号に関する法的根拠は、1999年国務院により公布された『商用暗号管理条例』及びその後関連部門より打ち出された若干規定しかなく、薄弱である一方、係る製品の製造、販売、サービスの提供、使用、輸入など全ての段階に対する審査許可制も時代遅れである。

    上記の背景下で、2019年の年末、第13期全国人民代表大会常務委員会は『暗号法』を可決した。『暗号法』では、暗号分類管理をはじめ、国の安全及び社会の公共利益に係る少数の事項を除き、管理モードは審査許可制から重要プロセスのみに対する中間・事後監督制に変更された。

    以下は『暗号法』のポイントを説明する。

    1、暗号分類管理

    『暗号法』によると、暗号は中核暗号、一般暗号、商用暗号に分けられる。中核暗号と一般暗号は国家秘密に該当し、国家秘密の送受信、保存、処理に用いられ、商用暗号は国家秘密に属さない情報の保護に用いられる。

    2、商用暗号の管理

    (1)外資企業に対する差別禁止の原則。

    『暗号法』第21条によると、外商投資企業を含む商用暗号の科学研究、生産、販売、サービス、輸出入などに従事する事業者を法に従い平等に扱う。行政機関及びその職員は行政手段により、商用暗号技術の移転を強制してはならない。

    (2)商用暗号標準体系の確立・完備。

    『暗号法』第22条によると、国務院標準化行政主管部門と国家暗号管理部門は商用暗号の国家標準や業界標準を制定する。『外商投資法』における「外資企業が標準制定に参画する」関連規定からみて、商用暗号の科学研究、生産などに従事する外資企業は国家標準、業界標準の制定において役割を果たし、提案する見込みである。

    外資企業は、『暗号法』第23条でいう「商用暗号国際標準化活動」において、「商用暗号の国際標準の制定に参画し、商用暗号の中国標準と海外標準の相互運用を推進する」優位性がある。

    (3)一部の商用暗号製品/サービスに対して、強制検査認証制度を実行する。

    強制検査認証制度の適用対象は、国家セキュリティ、国家の経済・国民の生活、社会の公共利益に係る商用暗号製品、ネットワークの基幹設備とネットワークセキュリティ専用製品を使用する商用暗号サービスを含む。

    『暗号法』によると、強制検査認証制度の具体的な適用対象は、「ネットワークの基幹設備とネットワークセキュリティ専用製品リスト」という形で明確化される。その動向について、関連企業は留意すべきである。

    (4)暗号化製品/サービスの輸出入。

    『暗号法』によると、国家セキュリティ、社会の公共利益に係り、かつ暗号化保護機能を有する商用暗号に対して輸入許可を実施するとともに、国家セキュリティ、社会の公共利益に係り、又は国が国際的義務を負う商用暗号に対して輸出制限を実施する。コンシューマー向け商品に使われる商用暗号に対して、輸入許可・輸出制限制度の対象外とする。

    但し、「商用暗号の輸入許可リストと輸出制限リストは、国務院商務主管部門と国家暗号管理部門、税関総署が共同で制定、公布する」とされているものの、係るリストがまだ公布されていない。この状況下で、国家暗号管理局、商務部、税関総署公告の第38号『国家暗号管理局、商務部、税関総署公告第38号—商用暗号輸出入管理の過渡と引き継ぎに関する公告』によると、「商用暗号輸入許可リストと輸出制限リストの公布前に、商用暗号の輸出入は現行の許可条件と手続に従い、法により輸出入許可管理を受ける。」ことを定めた。従って、現時点では、暗号化製品及び暗号化技術を含む設備を輸入する場合は、国密局第18号、第27号の公告に従い実施する。