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    規則制度の電子公示は有効であるか?

        A社は、丁さんが何回も無断欠勤し、『A社労働紀律管理弁法』に違反したことを理由に、丁さんとの労働契約を解除した。丁さんは労働仲裁を提起し、『A社労働紀律管理弁法』はA社の公式ウェブサイトにのみ掲載されているもので、関連リンクにアクセスしてダウンロードしなければ、内容を閲覧できないので、公示に該当せず、A社による労働契約解除は違法であると主張した。その結果、労働仲裁機関はそれを認めたが、第一審と第二審の裁判所によって否認された。

        『労働契約法』では、労働者の切実な利益に直接関わる規則制度又は重要事項の決定を公示するか、又は労働者に告知することを定めているが、公示の方式については具体的な要求及び制限をしていない。かつての公示方式は一般的に、関連書類を公示欄に貼り付けて写真を撮影し、従業員に既読確認書に署名させるものであった。近年は、電子メール、公式ウィーチャット、釘釘(DingTalk)などによりペーパレス化の公示方式を試みる企業が増えている。『民事訴訟法』第63条における証拠にはデジタルデータも含まれている。従って、原則として、電子公示は法的効力を有する。但し、実務において、電子公示の効力が否定される判例も少なくない(例えば、(2015)浦民一(民)初字第20873号、(2019)蘇01民終5357号等)。

        では、電子公示の効力の否認を避けるために、どうすれば良いのか?

        まず、電子公示の具体的なルートについて従業員全員に周知させることを徹底する。例えば、(2015)浦民一(民)初字第20873号の判決において、裁判所は、「会社は従業員が個人のQQメールアドレスを使用していることを認知しながら企業ドメインでの従業員別メールアドレスに就業規則を送ることは、公示手続を行ったと認定されるべきではない。」と指摘した。これに鑑み、電子メール、企業公式ウィーチャットなどにより公示する場合は、相手が公示の内容を閲覧したことを確認するための「既読」などの機能を設定するべきである。そうすれば、相手は公示の内容を知らないと主張できなくなる。又、釘釘(DingTalk)などにより公示する場合は、普段の業務上の連絡や通知を全て釘釘(DingTalk)に統一し、かつ相手からフィードバックされたことを証明できる証拠を保留するべきである。

        次に、電子公示が済んだ事実を技術的な手段により固める。2016年、最高裁判所、最高検察院、公安部は共同で『デジタルデータ収集読取判断に関する規定』を公布し、デジタルデータの読取について詳しく定めた。要するに、使用者は規則制度について電子公示を行う場合、電子化した情報を保存し続け、特定の画面をスクリーンキャプチャーして電子メールで送る、又は「タイムスタンプ」など技術的な手段により公示済の事実を固めるべきである。