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    商標権者の住所や氏名等情報を変更した場合の留意点

        多くの企業は、商標登録を受けた後、存続期間の更新登録に関する手続を行うだけでよいと誤解している。実は、商標権者の名称、住所等を変更した場合は、適時に登録事項の変更申請を行う必要もある。さもなければ、思いもよらないリスクが発生する恐れもある。

        リスク1: 許可なしに自ら登録者の名義、住所などを変更したと認定され、それにより登録商標が取り消される。

        『商標法』第49条第1項には、「商標登録者が登録商標を使用する過程において、登録商標、登録者の名義、住所又はその他の登録事項を許可なく変更したときは、地方の工商行政管理部門は、期間を定めて是正するよう命じる。期間満時になっても、是正されていないときは、商標局はその登録商標を取り消す。」と規定している。従って、適時に変更手続を行わなければ、登録商標は取り消されるおそれがある。

        リスク2: 商標に係る書類の受取に影響を及ぼし、抗弁のチャンスを失う。

        商標出願の段階で出願者の住所が変更になった場合、商標局から郵送される商標に係る書類を受け取れず、これにより商標出願者が、適時出願を行えず、再審査を棄却されることとなる。商標登録後に、商標権者の住所が変更した後、適時に出願変更を行わなければ、商標登録無効審判請求への答弁や、継続3年不使用という主張への抗弁など権利の行使に影響を及ぼし、登録商標が取り消されるおそれがある。例えば、他人が商標権者の登録商標について「正当な理由なく、継続して3年間登録商標を使用してしない」ことを理由に、商標局に対し登録商標の取消申請を出した場合、商標権者が住所変更で通知を受け取れなければ、期限内に商標使用に係る証拠を提供できず、これにより、登録商標が取り消されることとなる。 

        リスク3: 商標戦略及び使用に影響を及ぼす。

        A社はその社名を「A+」に変更した後、B社と商標使用許諾契約を締結した。双方が契約届出手続を行った際に、商標登録事項と一致しないことが分かり、契約届出手続を適時遂行できず、これによってB社は約定通りに商標を使用できないこととなるので、このような場合、紛争は起こりやすいおそれがある。これと同様に、急に資金が必要になる商標権者は、適時に変更手続を実施しなかったことにより、商標権の質入れ又は譲渡手続を遂行できず、ビジネスチャンスを見逃すおそれがある。

        上述の法的リスクを回避するために、商標権者は名称又は住所等の情報に変更があった場合、適時に変更申請を行うべきである。