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    「業務停止給料保留期間」の終了日は?

        上海某会社の従業員李さんは勤務期間内に負傷し、4ヶ月間入院生活を送った。退院3ヶ月後、李さんは労災での等級10級と認定されたが、会社が李さんに対し退院から障害等級認定日までの賃金を支払わなかったため、双方の間で紛争が起きた。その結果、労働仲裁機構は、会社が李さんに対し退院日から身体障害認定日までの3か月間の賃金を支払う裁定を下した。 

        『労働災害保険条例』第33条の規定によると、「業務停止給料保留」は、従業員が業務において負傷又は職業病を患い、それにより勤務を停止し、労働災害医療を受ける期間内も、給料福利待遇が変わらない福利制度である。但し、業務停止給料保留期間の開始日と終了日については、『労働災害保険条例』では明確な規定がない。

        実務において、業務停止給料保留期間は、業務上における負傷又は職業病を患った場合、勤務を停止し、労働災害医療を受ける日から計算することで基本的に異議はない。しかし、業務停止給料保留期間の終了日については、異なる二つの観点がある:(1)身体障害鑑定結果が出た日。その理由としては、『労働災害保険条例』第33条第2項には、「労働災害に遭遇した従業員の身体障害等級確定後は、元の処遇の支給を停止し、代わりに身体障害給付を支給する。」と規定しているため、身体障害鑑定後になってはじめて元の処遇の支給を停止するはずということである。(2)医療期間の終了日。その理由としては、業務停止給料保留が適用されるには「勤務を停止し、労働災害医療を受ける必要がある」ということが前提条件とされているため、医療期間が終了した時点で、業務停止給料保留期間も終了するということである。

        実務において、地方によってそれぞれ、司法部門の観点も異なる。山東省、北京市、江蘇省等の司法部門では、基本的に観点(2)を採用している。例えば、山東省東営市で起きたある事案では、裁判官は判決書において、「労働災害に遭遇した従業員の負傷状況は、その業務停止給料保留期間の有無又は長さを決定する唯一の基準である。……業務停止給料保留期間は身体障害等級に相応すべきである。……業務停止給料保留期間は、必然的に身体障害等級認定日を終了日とするわけではない。」と指摘した。又、山東省、北京市、江蘇省蘇州市等では、医療期間の終了時間を確定する際の参考として、業務停止給料保留期間目録を公布している。しかし、この問題について、上海では司法部門の判断にばらつきが見られる。例えば、文頭の事件において労働仲裁機関は観点(1)を採用しているが、奉労働人仲(2012)弁字第475号裁決では労働仲裁機関は観点(2)、(2012)滬一中民三(民)撤字第502号民事裁定書では、裁判所は観点(1)をそれぞれ認めている。更に、青浦靳氏労働仲裁事件では、労働仲裁機関は観点(2)、一審裁判所は観点(1)を認めている。

        従って、このような問題においては、企業は、まず所在地の司法部門の代表的な観点を確認するべきである。もし所在地の司法部門が観点(1)を認める方向に傾く、又は上海のように司法実務において観点が合致しない場合、企業は積極的に従業員に対し身体障害鑑定手続きを行うよう促し、医療期間終了日から身体障害鑑定日までの期間を短縮し、相応のリスクを減少されるべきである。