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    有限責任会社持分の内部譲渡について株主は先買権を有するか?

        有限責任会社株主の先買権とは、株主が持分を譲渡するときに、その他の株主が、同等の条件で優先的にそれを買い取ることができる権利を指す。これは主に有限責任会社の人的信頼関係に基づいた制度である。

        中国『会社法』第71条では、株主が対外に持分を譲渡するときは、その他の株主は先買権を有すると明確に記されているが、株主間の持分譲渡については「株主間においては、互いにその全部又は一部の持分を譲渡することができる。」と規定しているだけである。つまり、法条の規定から見ると、法律では持分の内部譲渡については、株主に先買権を付与していない。上海市高級裁判所民二法廷『有限責任会社株主先買権関連案件の審理の若干問題に関する意見』(以下『上海高級裁判所意見』という)では、それを肯定し、その第1条にも、「有限責任会社の株主間においては、互いにその全部又は一部の持分を譲渡し、その他の株主が先買権の行使を要求する場合は、人民法院は支持しない。」と規定している。

        しかし、実務において、有限責任会社の設立時に各株主の出資比率は苦心に設定されたものであり、会社の権力バランス及び株主利益の実現などにも係わる。もし株主間の譲渡持分について完全に制限を加えない場合は、上述の会社経営管理と密接な関係のある持分比率の設定が無駄になりうる。又、一部の企業、特に創業型企業の場合は、創始株主は企業の経営、策略をコントロールするために、持分を優先的に買い取る必要がある。では、約定により内部持分譲渡時に株主の先買権を創設することは可能だろうか?

        答えは明確だ。『会社法』第71条第4項には、「会社定款には持分譲渡について別段の規定がある場合は、その規定に従う。」と規定している。

        従って、企業は定款において、内部持分譲渡時の株主の先買権に関して、下記の内容を定めることができる:内部持分譲渡時に先買権を享有する株主、先買権行使の条件、規則など。

        実務において、先買権の行使については下記の問題に注意する必要もある:

        一、持分譲渡通知では「同等の条件」の内容、例えば投資、業務提携、債務負担等の条件等を含める。具体的には、持分比率、持分価格、支払期限、支付方式、違約責任などにかかわる。実際に、前述で言及された『上海高級裁判所意見』の規定によると、通知において主な譲渡条件を明確にしていない場合は、書面通知が出されていなかったと見なされる可能性がある。

        二、その他の先買権を享有する株主は持分譲渡に同意した場合、先買権を放棄する声明を行う必要がある。

        三、定款において先買権行使の返答期限についての特別な規定がない場合に、持分譲渡通知においてそれを明確にする必要があり、かつ会社法の規定によると、当該返答期限は30日を下回ってはならない。