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    産前休暇VS長期病欠

        11年間の勤務年数を有する張さんは、A社に入社後5年目に妊娠した。流産予防を理由に、張さんは7ヶ月以内に累計6ヶ月の病欠休暇を取った。会社の関連規則制度に基づき、A社は張さんに対し賃金の100%にあたる病欠賃金を支給した。その後、張さんはA社に対し2.5ヶ月の産前休暇を別途申請し、会社はそれを認め、且つ賃金の60%の疾病救済費を支給した。しかし、張さんはさらに、2007年の『上海市における「中華人民共和国婦人権益保障法」の実施に関する弁法』に基づき、会社に賃金の80%で病欠賃金を支給するよう主張した。

        では、A社は張さんに対し、病欠待遇のほかに、2.5ヶ月分の賃金の20%相当額を別途補足する必要があるのか?その回答は「NO」だろう。

        1982年国家労働総局保険福利司が公布した『女性従業員の流産予防及び病欠休暇6ヶ月超過した場合の出産後の待遇問題に関する上海市労働局への返答』([82] 労険字2号、現在有效)によると、女性従業員が計画出産政策に従い妊娠した場合、その流産予防休暇は、所属企業の疾病待遇の規定に沿って実施される。よって、流産予防休暇の待遇は疾病待遇を適用する。又、1990年上海市労働局による『「上海市における女性従業員労働保護弁法」の関連問題に関する解釈』(滬労保発(90)109号、現在有效)では更に、「長期病欠休暇を取る女性従業員は産前休暇を享受しない」と明確にしている。従って、上海では、女性従業員が長期病欠休暇を取り、更に産前休暇を取った場合、雇用者は病欠休暇の規定に基づき相応の待遇を与える権利を有する。本件において、A社が張さんに対し賃金の60%の疾病救済費を支給することは合法であるため、賃金の80%で産前休暇賃金を支給する必要はない。 

        実務において、北京、浙江など大多数の地方では、産前休暇は『女性従業員労働保護特別規定』第七条の規定(「女性従業員は98日の出産休暇を享受し、そのうち産前の15日間休暇を取ることができる……」)に基づき確定される。即ち産前休暇は15日間で、且つ98日の出産休暇に含まれる。従って、雇用者は従業員の産前休暇及び関連の待遇を審査認可するときに、所在地において産前休暇の申請条件などに関する特別な規定があるか否かを確認しておく必要がある。例えば、上海では、2.5ヶ月の産前休暇を明文化しているが、流産防止を理由とする全ての休暇申請は産前休暇として認められているわけではなく、二級以上の医療保健機構により発行された、習慣性流産、深刻な妊娠高血圧症候群、妊娠合併症などで正常な出産に影響を及ぼしうることに関する証明書を提出しなければならない。又、雇用者は、不正に産前休暇を取ることを抑制するために、社則制度において、女性従業員が指定病院にて再検査を受けることを盛り込むよう勧める。