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    労務派遣に関する新規定に対して、企業はどうすれば良いのか?

    『労働契約法(修正案)』は、今年の7月1日より施行されるが、修正案における労務派遣に関する新規定は、よく話題になる。その中で、広く注目されているポイントは大体以下の通りである:新規定の「三性」については如何に理解すればよいのか?労務派遣雇用方式を労働契約雇用方式に切り替える場合の注意事項は何だろうか?労務派遣を業務請負に切り替えることは可能だろうか?等々。
    新規定は労務派遣の業務職位の三性(一時性、 補助性及び代替性)について比較的明確な制限を定めているが、その内「主要業務を取り扱う職位」と「補助的な業務職位」の区別については、企業の状況によって異なり、また曖昧なグレーゾーンに当たる状況もあるため、判断の不確定性がある。又、現段階において、各地の実務部門は、「三性」の判断基準についてばらつきがある。従って、これらは、企業が労務派遣雇用方式を採ることの余地を与える一方、個別事件が発生した場合に労務派遣雇用の関連規定に違反すると認定されるリスクも生まれる。よって、これについて各地で詳しい規定が発行される前に、企業は慎重に事前確認する必要がある。
    「三性」の基準に合致しない職位について、企業は労務派遣雇用形式をやめ、関連従業員と労働契約を締結する際に、通常、勤続年数の計算、経済補償金、企業の規則制度の適用、管理体系の再構築など多くの問題を考慮する必要がある。勤続年数と経済補償金などについて、労働契約法では比較的明確な規定を定めているが、企業の規則制度の適用などについて、労働契約法の規定と企業の実際状況を結びつけ、状況により調整し、新たな雇用方式によるリスクを防止する必要がある。  
    現時点でも、実務において業務請負契約という新たな方式が出てきている。企業の生産、経営需要を満たすために、企業と請負企業が業務請負協議書を締結し、請負企業の労働者が企業に労務を提供するというものである。契約の性質からみれば、業務請負の場合、企業は、労働者との間に労働関係がなく、労働者に対する管理支配権もないため、実際に市場取引行為に該当する。
    一般的に、業務請負方式を採る場合、企業はいろいろな問題を全体的に考慮する必要がある。まず、特定の業務は請負に適合するか。特に複雑的且つ中核的で、ハイテクな業務を含む場合には、通常重要な知的財産権があり、秘密保持と業務成果に対する要求が高いため、業務請負方式に適合しない。次に、業務請負を引き受ける企業は関連分野での業務請負資格、人材優位性などを有するか。三番目は、業務請負のトータルコストと労働契約による直接雇用のコストとの比較。というのは、企業は業務請負による労働契約での雇用方式の場合、コストを抑制することができるが、業務請負を引き受ける企業にとっては、労務派遣雇用方式では、派遣先から受ける管理サービス費を基準として営業税を納付するのに対し、業務請負方式では、業務プロジェクトで発生した全ての費用をベースとして営業税を計算するため、その負担の一部を発注企業に転嫁するのは必然的である。従って、企業はコスト比較を行った上で、業務請負方式を採るか否かを決定する必要がある。
    将来において、特に注意を払う必要があるのは、一部の業務請負は、労務派遣に関する規定から逸脱するための「偽装請負」であると認定されるリスクがあることである。一部の地方での規定ではそのような傾向が明らかに現れている。例えば、新たに改定された『江蘇省労働契約条例』第36条には、「企業はその業務請負を他の企業に発注する。業務請負を引き受ける企業の労働者は発注企業の生産経営場所で、発注企業の施設設備を使用し、発注企業の指示に従い労務を提供する、又は発注企業の名義で労務を提供する、並びにその他の業務アウトソーシングという形を取っているが、実態としては労務派遣である場合には、労働者の人数は前項で規定する割合で計算する。」と規定している。  
    よって、企業は労務派遣雇用方式と労働契約雇用方式を共に採用するか、若しくは労務派遣雇用方式を労働契約雇用方式に切り替えるか、或いは柔軟な業務請負方式を採用するかに関わらず、いずれも企業の実際の状況に基づき、採用する方式にかかるコスト、リスクなどを総合的に比較した上で、実施することが大切である。又、企業の利益を最大限に守るために、必要に応じて、弁護士事務所など専門的な機構に協力を求めて、関連のリスクを確実に了解の上、根拠を持って労務派遣企業または請負企業等と価格や条項について相談するよう提案する。