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    不真実な申告が税関による行政処罰を招くのは必然か?

        貨物の輸出入業務において、商品類別の帰属(即ちHSコードを決めること)は、技術知識、専門化に対する要求が高いため、実務において、企業または税関によって商品類別の帰属に関する判断結果が異なる場合は少なくない。また、企業の申告したHSコードと税関より判断されたHSコードが異なった場合には、税関より不真実な申告と認定されれば、違法行為として行政処罰される可能性があり、また場合によって密輸行為として刑事処罰される可能性もある。処罰により企業にもたらすのは、財産的損失だけではなく、税関による企業分類(格付け)で下の分類へ降格されることや企業の名誉への悪い影響等もある。但し、実務上、如何なる処罰も受けていない企業もある。

        HSコードの申告問題による結果には、なぜそんなに大きなギャップがあるのか。「不真実な申告」という判断基準はいったいどうなっているのか。また、企業にとって、商品類別の帰属における不真実な申告問題を如何に予防・応対すべきか。

        『税関法』(2000年改正)第24条及び『税関輸出入貨物申告管理規定』(2003年より施行)第7条は、荷受荷送人の「税関に真実を申告……」する義務を規定しているが、「不真実な申告」の定義や構成条件等について規定していない。また、『税関法』第86条、『税関行政処罰実施条例』(2004年より施行)第15、16条は、不真実な申告に対する行政処罰措置のみを規定している。よって、「事実を申告」という結果の状態を描く表現は、行為者に主観的過失があるかどうかということを不真実な申告の構成条件とするかどうかは、明らかにしていない。従って、実務において、長期に亘って各地区の税関、極端に言うと同じ税関の違う部門でも、認識上の不一致があり、類似する事件に対する処理結果も往々にして異なる。

        一方、行政法の角度から見れば、行政責任を負う前提としては、行為者に主観的過失があることであり、仮に特殊な状況下で過失推定原則が適用されても、行為者は、自らには過失がないことを証明することができれば、行政責任を負うべきではない。これは、税関による行政処罰においても適用されるべきであろう。よって、申告した商品コードと税関の判断が一致しない場合、行為者に主観的過失があるかどうかを問わず、一律に行政処罰を課すのは、不適切ではないかと思われる。

        多分税関もこの問題の深刻さに気づいたと思うが、2005年より施行されている『税関輸出入貨物徴税管理弁法』第9条では、「……税関は審査を経て納税義務人の申告する輸出入貨物HSコードの誤りに気づいた場合、、商品分類の関連規則と規定に基づき改めて確定する」と規定している。又、2007年より施行されている『税関輸出入貨物商品分類管理規定』第12条は、「税関は審査を経て荷受荷送人またはその代理人が申告した商品コードが不正確だと判断した場合、……改めて確定することができ、且つ……荷受荷送人またはその代理人通関申告シートの修正・削除を行うことを通知ことができる」と規定している。上記の二つ文書にいう「HSコードの誤り」、「商品コードが不正確」は、「不真実な申告」と比べると、行為者に主観的過失がないことを示しているように見える。又、後者の第26条(「本規定に違反して、……税関監督管理規定に違反する行為……を構成する場合、税関は『税関法』及び『税関行政処罰実施条例』の関連規定に基づいて処理を行う……」)はこの点を裏付けるように見え、即ち、前述した第12条にいう「商品コードが不正確」があっても、主観的過失がなければ、税関監督管理規定に違反する行為に該当しないようである。

        よって、企業にとって、貨物輸出入通関上の「不真実な申告」問題をできるだけ避けるようにするのは肝心である。具体的には、以下のような方法が考えられる。①契約において通関代行業者の責任を明確に約定する。②輸出入部門の内部管理監督手続きを強化する。③、予定される輸出入貨物に対し予め商品分類を税関に申請する。

        実務において、企業の申告した商品コードと税関の判断が一致しないことにより税関と争議が発生した場合、企業に主観的過失がなければ、税関の関連担当者と十分なコミュニケーションを取って事実を説明した上で、関連の証拠を提供し、税関の理解を得るよう努力することを勧める。又、必要に応じて、『税関総署公告2007年第51号(商品分類協議と質疑手順の公布について』に定められる税関の下した商品分類決定に対し異議がある場合の協議手順に基づいて税関と協議を行うこともできる。最後に、企業が自らの商品分類が正確であり、税関の行政処罰が不適切であると認識する場合には、企業の合法的な権益を守るために、行政復議(行政不服審査)を提起することが考えられる。